OCA TOKYO
些細な一部も
“絵”になる空間。
OCA TOKYO
些細な一部も
“絵”になる空間。
『OCA TOKYO』は、人生を謳歌する多彩な人々が自由に集い、交流することのできる新たな居場所として、2021年に丸の内に誕生したプライベートクラブだ。
空間をデザインするにあたり、「自分にとって特別な場所」、「私たちだけが知っている開かれた場所」という情景を頭に描き、空間に集う人々の中に特別感を生むことができないかと考えた。そこで、大胆にエントランスを設計することでエクスクルーシブな空気感を創出し、空間の最初の印象を決定づけた。しかし一方で、「自分の大事な場所」だとさりげなく言える居心地の良さとカジュアルさも必要な要素であった。
抑圧や緊張を感じさせず、人々が思い思いに動き出し交流することによって、人と場所のストーリーが自由に紡がれていく。そのようなコンセプトがデザインの核となった。言い換えるならば、「人」を中心にデザインする思想である。そのためには、人々が空間に没頭できるディテールを隅々まで徹底することが重要だ。テーブルやソファなどプロダクトのほとんどはオリジナルにデザインし、些細な一部を切り取っても“絵”になる空間を設計したのだ。
空間の顔となるエントランスの初期イメージ。スケッチの細部にディティールを宿らせていく。これは今のエントランスやその他のデザインにも通じている。
窓際でコーヒーを片手に本を読む人、書類を広げながら対話する2人、1つのテーブルに集まり交流する初対面の人たちがいてもいい。人やストーリーが浮かび上がる、どんなシチュエーションも受け入れてくれる、そんな空間。
空間を構成する一つひとつのディテールにこだわることで、自宅では決して手に入らない高揚感を生み、五感と心を満たす豊かさに包まれる。それが『OCA TOKYO』である。
Yuta Yamamoto
Kasumi Nakagawa
Aiko M. Ordovez
Trizza A. Bontia
Misa Watanabe
その始まりは「ホワイツ」と呼ばれるチョコレートハウス
会員制クラブのルーツは、1963年にイギリス・セントジェームズ通りにオープンした「ホワイツ」と呼ばれるチョコレートハウスだった。
そもそも人間は、古来より群れる生き物である。昔、人々はボンファイヤーのもとに集い、様々な話を伝えコミュニティを形成していた。会員制クラブもまた、家庭や組織の枠を超えて他者と関わり欲求を満たす場として機能していた。
「人」を中心に据えた空間を作りたい。「建物のための建物」、「デザインのためのデザイン」という空間がいかに多いことか。
空間を作る時、脚本を書くようにストーリーを考え、人を想像する。しかし、結末は設定しない。なぜなら、人々が自由にストーリーを生み出す余白を持たせたいから。
空間は入口から考える。ドアノブ一つで空間全体の気配を作ることができる。
ビジネスにおいては人流増を目標に掲げるものだが、人流をあえて抑制する設計が有効になることもある。
素材一つで表情はガラリと変わる。その組み合わせだけでも空間を雄弁に語ることができる。
気に入った素材が見つからなければ、一から素材を作ることも厭わない。私が家具などのプロダクトをデザインする理由もここにある。
ディズニーランドにあってUSJにないものとは? そうやって考えることがヒントになることもある。
かなり初期の段階から、かなり細かい部分までディテールを決めている。
予算を削り、家やオフィスの延長上にあるような空間が増え、記憶に鮮明に残る空間が減っているのではないか。若い頃に初めて憧れのレストランで食事をした時のような、あの高揚感を作りたい。
建築とは、もちろんテクノロジーにも頼るが、まずは手で考えることから始まる。
空間は、人が写真に写る際の笑い方や表情さえも変化させてしまう。
(English) A space where the people who gather there can play a leading role. The space that serves as a backdrop for the people should also support their lives in abundance.
人の背景をデザインし、人生を鮮やかに彩る。
広々としたスペースにどんなに素敵な家具を世界中から集めても、ただ並べただけではショールームに過ぎない。
開放的な大空間が居心地の良さには直結しない。壁をうまく操作して、空間に抑揚と奥行きを生み出していく。
例えば、海が好きだからといって、毎日どの場所からも海が見える家を設計するのが成功とは限らない。ここに立った時だけ見える海――そんなアプローチをすることがある。